のんびり、海外自由旅行のすすめ

海外旅行はパッケージツアーではなく、のんびり気ままな自由旅行で!これまで旅して感じた海外旅行の楽しさやちょっとしたノウハウをお伝えしていきます。

アイルランド独立の歴史を学ぶ、キルメイナム刑務所

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こんにちは、コウです。 

昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログの第35回。 

続いてご紹介するのは、キルメイナム刑務所(Kilmainham Gaol)。このシリーズの最初のほうの記事で、英国によるアイルランド支配の歴史について短く解説しましたが、その支配からの解放を目指して戦った独立の歴史を学ぶ博物館になっています。 

※キルメイナム刑務所は、新型コロナウイルス感染対策のため休館していましたが、7月26日よりオンライン事前予約必須とした上で再オープンしたようです。日本から渡航して観光するのは、まだ当分先になりそうですが、一日も早く世界中の人が訪れられるようになってもらいたいです。 

◇過去ブログ

ko-abroad.hatenablog.jp

キルメイナム刑務所には、ダブリンに到着した翌日の午前に行きました。奥さんと娘は、前日の長旅の疲れもあり、ホテルで休むこととし、私一人で見に行きました。午後1時半にはトリニティ・カレッジの見学の予約を入れているため、午前中に見学していったんホテルに戻ることとしました。 

◇キルメイナム刑務所のホームページ(英語) 

kilmainhamgaolmuseum.ie

◇キルメイナム刑務所の場所(Googleマップ) 

往きは、せっかくリープ・ビジターカードを買いましたのでバスで行きましたが、帰りは散歩も兼ねて歩いてホテルまで戻りました。徒歩でも30分くらいのところにあります。真夏(7月末)ですが、爽やかな気候で、気持ちよく散歩できました。 

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1795年に建設されたキルメイナム刑務所。まだ英国支配下にあって、民族運動の高まりとともにアイルランド独立に向けた反乱、抵抗運動が激しくなった時期でした。そしてその中で捕らえられた数多くの独立運動の闘士が投獄され、ここで亡くなってきたという、言わばアイルランド独立運動の記念碑的な存在が、この刑務所です。 

アイルランド自由国成立後の1924年に閉鎖された後は放置されていましたが、アイルランド民族運動の歴史を保存するため、1984年に博物館としてオープンしたそうです。 

入場料は大人€8(約1,000円)でした。 

ここはガイドツアー方式(英語のみ)で引率され、説明を受けながら見学していきます。 

最初にシアターで、刑務所の概略的な説明があります。 

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通路を通って見学を進めていきます。 

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重罪人を収監する独居房。ジョセフ・プランケットは、1916年のイースター蜂起(復活祭(イースター)週間に起きた武装蜂起)の際の指導者の一人イースター蜂起はわずか7日間で鎮圧され、プランケットやジェームズ・コノリーなどの指導者たちはここキルメイナムに投獄され、16人が処刑されます。 

プランケットは処刑のわずか2時間前に、妻のグレース・ギフォードと刑務所内のチャペルで結婚式を挙げたのです。 

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妻のグレース・ギフォードが収容されていた独房。画家だったギフォードは、独房の壁に母と子の画を残し、その後釈放され、生涯を全うしたそうです。 

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見学のメインとなる中央ホール。天窓から光が差し込む構造。そして少ない看守が多くの囚人を監視できる仕組みなのだそうです。 

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ここは北アイルランド問題を扱った映画のロケ地として多数使われているそうで、以前の記事で紹介したダニエル・デイ=ルイス主演「父の祈りを」(1993年)などでも有名です。 

◇過去ブログ

ko-abroad.hatenablog.jp

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この1階部分の独房には入ってみることもできます。先ほどご紹介したジョセフ・プランケットの妻グレース・ギフォードの独房もここにあります。 

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中庭に出ます。ここで処刑が行われたのです。壁面に銘板が取り付けられています。下の銘板は、1922年11月17日に、ここキルメイナム刑務所で最後に処刑された4名、ピーター・キャシディやジェームズ・フィッシャーなど、まだ20歳そこそこの青年たちのものです。銃の不法所持により逮捕、起訴され、処刑されたのだそうです。 

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この中庭でガイドツアーによる説明は終了。後は中に戻って、展示コーナーを自由に見学できます。 

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囚人を撮影していた部屋を再現

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錠前

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囚人たちに課せられた重労働

アイルランドの彫刻家オリバー・シェパードの初期の彫刻「イニス・ファイル」(1901年)は、イースター蜂起にも影響を与えたとされています。 

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1916年 イースター蜂起から50周年の式典

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イースター蜂起の際に、その中心者であり臨時大統領となったパトリック・ピアースによって読み上げられたというアイルランド共和国宣言」。署名者に、ピアースの他、ジェームズ・コノリー、ジョセフ・プランケットなどの名前が見えます。 

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いかがでしたでしょうか。 

アイルランドの近代史を学ぶ教科書、キルメイナム刑務所。日本にはこのような革命の歴史はありませんが、他国の支配からいかに命懸けで独立を勝ち取ってきたか、日本人にとっても重要な学びの場なのではないでしょうか。 

 

 

猫とネズミのミイラも!?ダブリンのクライストチャーチ大聖堂

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こんにちは、コウです。 

昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログの第34回。 

前回ご紹介したダブリン城に続くのは、すぐそのお隣にあるクライストチャーチ大聖堂。ダブリン最古の大聖堂となります。私たちはダブリンに到着した日に、スーツケースを手荷物預かりサービスに預け、ダブリン城見学に続いて見に行きました。 

クライストチャーチ大聖堂の訪問については、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、礼拝等の目的については人数を限定した上で再開されているようですが、海外からの観光目的での訪問については制限されているようです。一日も早く元通りに見学できる日が来ることを待ちたいと思います。 

◇今回のアイルランド旅行のハイライトビデオはこちら 


【2019年夏】アイルランド旅行|アイルランド観光の見どころと魅力をコンパクトにご紹介

クライストチャーチ大聖堂はアイルランド国教会聖公会)の主教座が置かれている教会。11世紀に木造の教会として建造されましたが、現在の石造の建物の大部分や地下聖堂は12世紀頃に増改築されたのだそうです。 

クライストチャーチ大聖堂のホームページ(英語) 

christchurchcathedral.ie

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入場料は大人€7.0(約870円)、学生€5.5(約690円)です。 

日本語の簡単なリーフレットが用意されていました。 

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入場すると、まず大きな礼拝堂が。ひんやりとした空気の中に荘厳な雰囲気が感じられます。 

祭壇と反対側の西窓、そして見事なステンドグラスが。 

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礼拝堂を祭壇方向に進んでいきます。 

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聖歌隊席との仕切り、およびその天井部。 

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聖歌隊席の奥が祭壇です。 

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中央の祭壇の周囲には、小さめの礼拝室が幾つかあります。 

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中央の祭壇の裏側にあるのが、聖母礼拝堂 

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12世紀に現在の大聖堂の原形を建設し、ダブリンの守護聖人となったローレンス・オトゥールの礼拝堂です。 

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今度は階段を下りて、地下聖堂を見学します。この地下聖堂は教会全体の地下に広がる巨大なものです。12世紀の昔に、石造の教会を支えるこのような地下構造物を作れたことが驚きです。 

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間に紋章を挟んだ、チャールズ1世とチャールズ2世の像 

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カトリック王であったジェームズ2世が使用したとされる聖櫃と燭台 

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大聖堂内に所蔵されていた数々の祭具類、プレートなどの宝物も展示されています。 

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猫とねずみのミイラ1860年代に追いかけっこをしていた猫とねずみが、パイプオルガンに挟まったまま抜け出せなくなり、そのままミイラ化してしまったらしいです・・・。 

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最後に、地下聖堂内には土産物ショップもあります。 

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クライストチャーチ大聖堂の場所(Googleマップ) 

いかがでしたでしょうか? 

街の中心部にあって気軽に見学でき、また見どころも多いクライストチャーチ大聖堂。また旅行ができるようになった暁には、ぜひ訪れてみていただきたいです。 

 

 

イギリス植民地支配の歴史を伝えるダブリン城

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こんにちは、コウです。 

昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログの第33回。 

ダブリン市内の観光スポットとして、次にご紹介するのは石造りの円筒形のタワーが目印のダブリン城。私たちはダブリンに到着した初日に、スーツケースを預けて、最初に見にいきました。 

※ダブリン城の見学については、6月29日より城のステート・アパートメンツの見学に限り、入場者制限しつつ再開されたようです。ただ、海外からアイルランドへの渡航については、まだ控えるよう求められていますので、当面観光で訪れるのは難しそうです。一日も早く元通りに見学できる日が来ることを祈りたいと思います。 

www.dublincastle.ie

◇前回記事 

ko-abroad.hatenablog.jp

ダブリン城は1204年に英国のジョン王が建設を命じました。その場所は戦略的に重要な地であり、以来8世紀に渡って英国による植民地支配の本拠地の役目を果たしてきました。 

アイルランド独立後も、国威を象徴する建物として、アイルランド大統領就任式や海外の政府要人との晩餐会など、国の重要な行事、式典等に使用されています 

 

◇ダブリン城の場所(Googleマップ) 

 

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入場料は大人1人€8(約1,000円)でした。 

簡単な日本語パンフレット、および英語版の詳しい解説冊子が用意されています。 

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日本語版パンフレット

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英語版の冊子

なお、日本語パンフレットにある「公式諸間」という表示。最初は誤訳かなとも思ったのですが、調べると、これがステート・アパートメンツの意味。イギリスのウィンザー城などの宮殿内の豪華な居室のことを、こう呼ぶのだそうです。聞きなれない言葉ですね。 

内部の各部屋を紹介していきましょう。 

応接間は1941年の火災で大部分が消失してしまいましたが、消失を免れた部分と写真から忠実に再現されているそうです。18~19世紀頃には、社交界のパーティーや晩餐会に使用されていたところだそうです。 

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応接間

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公式回廊

ステート・アパートメンツのちょうど中心に位置する王座の間。訪問した英国君主が現地の臣民や廷臣の表敬訪問を受けたり、総督就任式が行われた場所です。 

ここにはアイルランド上王ブライアン・ボルの再現された王冠も展示されています。 

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王座の間

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ブライアン・ボルの王冠

英国のアイルランド歴代総督の肖像画が飾られた晩餐室 

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晩餐室

青と白のウェッジウッド様式の装飾デザインがエレガントな楕円形の部屋は、かつて紳士のビリヤード場として使用されていたそうです。 

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ウェッジウッドの間

ゴシック様式の円形部屋は、歴代総督の家族の私的な晩餐室として使用されていたそうです。古い部屋で傷みが激しく、1770年代に再建されたものだそうです。 

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ゴシック様式の円形部屋

ステート・アパートメンツの中でも最も豪華かつ最古の部屋である聖パトリックホール。総督公邸の舞踏場として使われていました。天井の見事なフレスコ画は、ヴィンツェンツォ・ヴァルドレが1790年代に完成させたものだそうです。 

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聖パトリックホール

広い中庭では、多くの人が写真を撮ったり、楽しんでいました。ちなみにダブリンという地名は、昔この庭にあった黒い水たまり=Dubh linnに由来すると言われているそうです。 

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中庭

ひと通りの見学を終え、ダブリン城のカフェテリアで、昼食をいただきました。 

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いかがでしたでしょうか。 

歴史を感じさせるダブリン城は単なる旧跡ではなく、今も公式行事などに使用されている現役の建物です。ダブリンを訪れた際には、ぜひその豪華な姿や装飾を鑑賞してみて下さい。 

 

 

夏はやっぱり!日本でも手軽に味わえるギネス缶ビールの秘密

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こんにちは、コウです。 

昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログの第32回。 

2回に渡って、ダブリンの人気観光スポット、ギネス・ストアハウスについて紹介してきました。いまは新型コロナウイルスの影響でなかなか海外旅行に行ける状況ではありませんが、今回は日本で手軽に楽しめるギネスビールについて紹介したいと思います。暑い夏をこれで乗り切りましょう! 

◇今回のアイルランド旅行のハイライトビデオはこちら


【2019年夏】アイルランド旅行|アイルランド観光の見どころと魅力をコンパクトにご紹介

日本でもギネスを飲める店はあります。英国パブのチェーン店HUBなどは、その代表でしょう。 

www.pub-hub.com

出張で行った愛媛県今治港の近くでも、ギネスを出しているお店を見つけて、感激しました。お刺身などの料理も美味しかったです。 

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今治 アンカー 

tabelog.com

もっと簡単に、家庭でもギネスを味わえる方法、それが缶ビールです。ギネスの缶ビールはスーパーなどでも置いているところがあり、我が家の近所の格安スーパー・オーケーストアでも売っています。 

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ギネスの缶ビールを「ギネス・アカデミー」で淹れたのと同じように、美味しく飲む秘訣があります。 

まず缶ビールは冷蔵庫でよーく冷やしましょう。そしてビールが全量注げる大きめのグラスを用意し、きれいに洗って乾かしておきます 

缶ビールを開けたら、ひと呼吸置いて、「ギネス・アカデミー」の要領でグラスに注いでいきます。グラスを45°傾けて注いでいき、8割くらい入ったら、グラスを真っすぐにします 

注ぎ終わったら、そのまま約2分待ちます 

いわゆる「カスケード」状態が落ち着いたら、完成です。 

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いい具合に入りました!

◇(参考)前回記事 

ko-abroad.hatenablog.jp

実は、この缶の記載をよく見ると、このように書かれています。 

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そうなんです。缶の中に「フローティング・ウィジェットと呼ばれるカプセルが入っており、この中に窒素ガスが封入されているらしい。缶を開けると同時に、中の窒素ガスが開放され、無数の泡となり、ビールサーバーで淹れたときと同じクリーミーな泡が生成されるという特許技術なのだそうです。 

ですので、ギネス缶ビールは決して缶のまま飲むのではなく、せっかくの仕組みですから、必ずグラスに注いで飲むようにして下さい。 

ちなみに缶の中から「フローティング・ウィジェット」を取り出してみました。 

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直径約3センチ程度です。缶ビールでもギネスの味わいを大切に、お客様に楽しんでもらいたいという工夫が素晴らしいと思います。 

いかがでしたでしょうか。 

お店で、また自宅で手軽に楽しめるギネスビールを飲んで、アイルランドに行ってみた気分を味わってはいかがでしょう。 

 

 

あなたもギネスビールのエキスパートに「ギネス・アカデミー」

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こんにちは、コウです。 

昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログの第31回。 

前回記事に引き続き、ダブリンの人気観光スポット、ギネス・ストアハウスについて紹介します。前回紹介したとおり、ギネス・ストアハウスの入場料には、1パイント(約570ミリリットル)のギネスビールの代金が含まれており、いよいよ今回はこれを味わえるところをご紹介します。 

ギネス・ストアハウスの見学については、現在、オンライン予約に限定し、入場制限およびソーシャル・ディスタンスを確保した上での見学に限って受け付けているようです。 

気軽に海外旅行に行けるようになるにはまだ時間がかかりそうですが、再開されたときに備えて、この記事を参考にしていただければと思います。 

◇前回記事 

ko-abroad.hatenablog.jp

ギネスの美味しい注ぎ方をレクチャーしてもらい、実際に自分でやってみる、それが「ギネス・アカデミー」です。 

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一定人数が集まると開講。いくつかのテーブルに分かれて、淹れ方を教わります。 

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ビールサーバーのハンドルを手前に倒すと、ビールが注がれます。このときグラスを45度傾け、静かに注ぎ入れます。 

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一定レベルまで注がれたら、グラスを真っすぐにします。グラスの上部がほんの少し残っている状態で、ハンドルを戻します。 

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注ぎ終わった状態で、約2分待ちます。これが「カスケード」と言われる状態で、クリーミーな気泡がグラデーション状になりながら徐々に分離され、上のほうに泡が集まってきます。 

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2分ほど待った後、最後にハンドルを少し向こう側に倒すと泡のみが注がれ、泡の蓋を追加する形でグラスの上端まで注ぐことにより完成となります。 

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まさに注ぎたて! 

出来上がったビールをそーっと持って、もう1階上がると、展望レストラン。ダブリン市内を一望できる眺めを楽しみながら、ギネスを堪能できます。もちろん、追加のおかわりやおつまみを注文することもできます。 

酒好きの家族3人、ゆっくり楽しむことができました。 

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ギネスを楽しみ、ほろ酔いになった後は、階下に降り、ショップで買い物を楽しみましょう。 

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正直、ここを訪れるまでギネスと他のビールとの違いがそんなに分かっていなかったのですが、ギネス・ストアハウスを見学して、その歴史やこだわりの製法などを学び、すっかりギネス・ファンになりました 

次回は日本でも楽しめるギネス・ビールについてご紹介したいと思います。 

ちょうどビールの美味しい季節。海外旅行を楽しめる状況はまだ遠そうですが、せめて日本のお店や自宅で、ギネスの美味しさを楽しむ参考にしていただけたらと思います。 

 

 

アイルランドが誇る伝統の旨さギネスビール

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こんにちは、コウです。 

昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログの第30回。 

前回記事では、ダブリンNo.1の観光スポットとしてトリニティ・カレッジを紹介しましたが、続いて紹介するのが、これまた人気のギネス・ストアハウスアイルランドが誇る漆黒のビール・ギネスの魅力を、たっぷり味わうことができます。 

ギネス・ストアハウスの見学については、現在、オンライン予約に限定し、入場制限およびソーシャル・ディスタンスを確保した上での見学に限って受け付けているようです。 

ただしアイルランドへの渡航には制約があり、気軽に海外旅行に行けるようになるにはまだ時間がかかりそうですが、再開されたときに備えて、この記事を参考にしていただければと思います。 

◇前回記事 

ko-abroad.hatenablog.jp

ギネスは1759年にここダブリンのセント・ジェームズ・ゲート醸造所で、実業家アーサー・ギネスにより創業。当初はごじんまりした工場だったそうですが、今では26ヘクタールと欧州最大級のビール醸造所となり、その敷地内に併設されているのが、ギネス・ストアハウスです。 

ギネス・ストアハウスの場所(Googleマップ)  

ギネス・ストアハウスのホームページ(英語) 

www.guinness-storehouse.com

なおギネス社は1997年にグランド・メトロポリタン社と合併してディアジオとなり、ウィスキーの「ジョニー・ウォーカー」や「I・W・ハーパー」、ウォッカの「スミノフ」なども提供する、蒸留酒・スピリッツ等の分野では世界No.1の酒造メーカーとなりました。ちなみにビールの世界シェアでは第7位(2019年度)となっています。 

ちなみにギネスブック」の名称で有名な「ギネス世界記録」は、ギネスビールの取締役だったサー・ヒュー・ビーバーの発案により1955年に開始されたものですが、2000年にギネスビールから独立し、ロンドンに本社を置く会社となっています。 

さて、もともとギネス・ストアハウスは人気の観光スポットで混み合うため、私たちもオンライン予約して行きました。予約すると、次のようなオンラインチケットがEメール添付で送られてきますので、印刷して持っていきます。 

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料金は、大人1人€18.5(約2,300円)で、帰国日の前日の朝10時の見学を予約しました。午前中にギネス・ストアハウスを見学し、午後はショッピングなどに充てる計画です。 

料金はちょっと高いように感じるかもしれませんが、美味しいギネスビール1杯+αが飲めますので、良しとしましょう。 

私たちが泊まったホテルからは徒歩15分くらいで行けるところにありました。なお、ギネス・ストアハウス付近のトーマス・ストリート辺りは低所得者層の住む地域で、あまり治安の良くない地域に挙げられています。ダブリンは全体的に治安状況は良く、私たちも何ら危険を感じるようなことはありませんでしたが、夜間の一人歩きは避けるなど、一定のリスク対策は心がけましょう。 

◇過去ブログ 

ko-abroad.hatenablog.jp

さて、大通りからぐるっと裏側にまわって、入り口はこんな感じです。 

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受付を過ぎるとこんな感じのところに出ます。 

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順路に沿って短いエスカレータを上がると、ここがグランド・フロアになっています。お土産類などを売っているショップもここにあります。 

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なお、こういう感じの簡単な館内の案内パンフが用意されています。ビル状に階を上がっていく構造で、各ゾーンごとに何が展示されているか、解説されています。 

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ギネスの代々のビール瓶がズラリと展示されていました。歴史を感じさせますね。 

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さて、ギネスビールがどのように製造されているかを紹介するゾーンに入っていきます。醸造工程を分かりやすくビデオで紹介しています。下の枠の中の砂場のように見えるのは、原料となる大麦です。 

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アイルランド産の大麦、そしてダブリンの南側に広がるウィックロー山地から湧き出る美しい水によって作られるギネスビール。「スタウト」と呼ばれるあの独特の漆黒、そして濃厚なコクを生み出す製法が解説されていますが、その大きなポイントの一つは、大麦を焙煎する際の232℃という温度にあるようです。焙煎温度によってビールの出来具合にどのような違いが出るかも解説されていました。 

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こうして作られたギネスビールが樽詰めされ、輸出されていった船の模型なども展示されています。 

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さらに階上に上がると、テイスティング・ルーム。現在では様々な種類のビールが製造されており、その解説を受けるとともに、1種類をミニグラスでテイスティングさせてもらえます。 

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さらに階を上がると、広告のエリア。ギネスビール歴代のコマーシャルやイメージ・キャラクターなどが展示されています。コマーシャル映像を流すシネマ・ルームでは、ラグビーの盛んなお国柄、ラグビーを使ったCM映像なども流れていました。 

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ギネスビールのシンボルマークは、アイリッシュ・ハープ。トリニティ・カレッジのオールドライブラリの記事でも紹介しましたが、アイリッシュハープは近代音楽で使われるハープより古く、古代ケルト人の時代から使われていた伝統楽器です。 

ギネスのシンボルマークとしてハープが使われるようになったのは1862年だそうですが、それ以来、デザインは少しずつ変わってきており、その変遷も展示されていました。現在のデザインが使われるようになったのは、2005年からだそうです。 

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◇オールド・ライブラリに展示されているアイリッシュ・ハープについては、こちらの記事をどうぞ。 

ko-abroad.hatenablog.jp

さて、この後いよいよ1パイント(約570ミリリットル)の注ぎたてギネスビールを味わえる「ギネス・アカデミー」ですが、それは次回記事で! 

またギネスが飲みたくなってしまった・・・。 

 

 

アイルランドの国宝「ケルズの書」とは

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こんにちは、コウです。 

昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログの第29回。 

昨年のちょうど今ごろはアイルランドを旅行していました。あれからもう1年。早いですね。ダブリンの爽やかな朝が懐かしいです。 

さて、前回記事ではダブリンの中心部に位置するトリニティ・カレッジのキャンパス内の様子と、オールド・ライブラリ見学について紹介しましたが、今回はここに所蔵されている国宝「ケルズの書」について紹介します。 

※トリニティ・カレッジのオールド・ライブラリや「ケルズの書」については、新型コロナウイルス感染対策のため休館していましたが、8月10日から見学を再開することになったようです。日本から観光できるようになるのはまだ先になりそうですが、一日も早く世界の人々が再び訪れられるようになればと思います。 

www.tcd.ie

本記事は、また再び旅行が楽しめるようになったときに備えて参考にしていただきたいです。 

◇前回記事 

ko-abroad.hatenablog.jp

オンライン・チケット購入や料金については、前回記事をご覧下さい。 

「ケルズの書」とは、豪華な装飾施された福音書、つまりイエス・キリストの言行などが記された伝記の写本です。 

私はクリスチャンじゃないので、あまり詳しくないのですが、新約聖書の冒頭に「マタイによる福音書」「マルコによる福音書」「ルカによる福音書」「ヨハネによる福音書」という4つが収められており、これらを総称して「正典福音書と呼ぶのだそうです。 

キリスト教の布教により、アイルランドでは7世紀頃からこの「福音書」に様々な装飾が施された大型の写本が作られるようになりました。8世紀頃に、アイルランドに古くから伝わるケルト文化、あるいはアングロ=サクソンの美術様式も組み合わさり、見事な芸術作品として、アイルランド・ミーズ州のケルズ修道院で完成された「福音書」装飾写本の傑作が「ケルズの書」です。  

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Book of Kellsホームページより

◇「ケルズの書」(英語) 

www.tcd.ie

「ケルズの書」は、1653年以降、360年余りに渡って、このトリニティ・カレッジの図書館に所蔵されているとのことです。 

全て手作業で製作された人間や動物の図柄、そして組紐模様などの複雑かつ豪華な装飾。これらのデザインやパターンは、現代美術にも大きな影響を与えています。 

展示室では日本語のパンフレットも配布されています。 

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日本語パンフレット

ビデオも写真もありませんので、ここでは上記のホームページ内に収められている画像や映像を見ていただくしかありませんが、「ケルズの書」をオンライン上で鑑賞できるデジタルサービスもあるようです。ただ、残念ながら現在システム再構築中らしく、見ることができません。新型コロナウイルス影響で、なかなか現地を見学することができないだけに、早くオンラインで鑑賞できるようにしてほしいです。 

(なお、従来版のデジタル・コレクション・サービスは利用可能なようです。) 

◇「ケルズの書」デジタル・コレクション(Under upgrading) 

https://digitalcollections.tcd.ie/home/index.php?DRIS_ID=MS58_003v 

 

いかがでしたでしょうか? 

ダブリンへ来たなら、この至極の芸術作品を見ないことには始まりません。 

ぜひ一日も早く「ケルズの書」を世界中の人々が再び見学・鑑賞できる日が戻ってくることを願って止みません。 

 

 

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