イギリス植民地支配の歴史を伝えるダブリン城
こんにちは、コウです。
昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログの第33回。
ダブリン市内の観光スポットとして、次にご紹介するのは石造りの円筒形のタワーが目印のダブリン城。私たちはダブリンに到着した初日に、スーツケースを預けて、最初に見にいきました。
※ダブリン城の見学については、6月29日より城のステート・アパートメンツの見学に限り、入場者制限しつつ再開されたようです。ただ、海外からアイルランドへの渡航については、まだ控えるよう求められていますので、当面観光で訪れるのは難しそうです。一日も早く元通りに見学できる日が来ることを祈りたいと思います。
◇前回記事
ダブリン城は1204年に英国のジョン王が建設を命じました。その場所は戦略的に重要な地であり、以来8世紀に渡って英国による植民地支配の本拠地の役目を果たしてきました。
アイルランド独立後も、国威を象徴する建物として、アイルランド大統領就任式や海外の政府要人との晩餐会など、国の重要な行事、式典等に使用されています。
◇ダブリン城の場所(Googleマップ)
入場料は大人1人€8(約1,000円)でした。
簡単な日本語パンフレット、および英語版の詳しい解説冊子が用意されています。
なお、日本語パンフレットにある「公式諸間」という表示。最初は誤訳かなとも思ったのですが、調べると、これがステート・アパートメンツの意味。イギリスのウィンザー城などの宮殿内の豪華な居室のことを、こう呼ぶのだそうです。聞きなれない言葉ですね。
内部の各部屋を紹介していきましょう。
応接間は1941年の火災で大部分が消失してしまいましたが、消失を免れた部分と写真から忠実に再現されているそうです。18~19世紀頃には、社交界のパーティーや晩餐会に使用されていたところだそうです。
ステート・アパートメンツのちょうど中心に位置する王座の間。訪問した英国君主が現地の臣民や廷臣の表敬訪問を受けたり、総督就任式が行われた場所です。
ここにはアイルランド上王ブライアン・ボルの再現された王冠も展示されています。
青と白のウェッジウッド様式の装飾デザインがエレガントな楕円形の部屋は、かつて紳士のビリヤード場として使用されていたそうです。
ゴシック様式の円形部屋は、歴代総督の家族の私的な晩餐室として使用されていたそうです。古い部屋で傷みが激しく、1770年代に再建されたものだそうです。
ステート・アパートメンツの中でも最も豪華かつ最古の部屋である聖パトリックホール。総督公邸の舞踏場として使われていました。天井の見事なフレスコ画は、ヴィンツェンツォ・ヴァルドレが1790年代に完成させたものだそうです。
広い中庭では、多くの人が写真を撮ったり、楽しんでいました。ちなみにダブリンという地名は、昔この庭にあった黒い水たまり=Dubh linnに由来すると言われているそうです。
ひと通りの見学を終え、ダブリン城のカフェテリアで、昼食をいただきました。
いかがでしたでしょうか。
歴史を感じさせるダブリン城は単なる旧跡ではなく、今も公式行事などに使用されている現役の建物です。ダブリンを訪れた際には、ぜひその豪華な姿や装飾を鑑賞してみて下さい。