ごめん、勝つと思ってなかったラグビーW杯アイルランド戦
こんにちは、コウです。
昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログですが、前置きが長くなってすいません。なにぶん長年の思いがあるものですから・・・。
長くなりついでに、昨年開催されたラグビーW杯日本大会のアイルランド戦について、少し触れておきたいと思います。
この大会で日本代表とアイルランド代表とは、プールAで激突。双方とも初戦で勝利を挙げ、2試合目に静岡県のエコパスタジアムで対戦しました。
アイルランドでは、ラグビーはサッカーよりも人気があり、アイルランド代表は世界の超強豪チーム。大会開幕時には、王者オールブラックス(ニュージーランド代表)を抑え、世界ランク1位で大会に臨んできました。
この日、私は奥さんと一緒にTV観戦しましたが、正直、日本が勝つとは思っていませんでした。この試合に勝てなくても、残りの3試合に勝利し、プール戦2位で決勝トーナメントに進出というのが、私の予想でした。
が、なんとなんと、この試合で日本はアイルランド代表に19-12で勝利。ティア1と呼ばれる強豪アイルランドに勝ったことは、海外へも"Shizuoka stunner"(静岡の衝撃)と報じられたのです。
後日の番組で、日本代表・堀江翔太選手が勝利後のロッカールームでTVカメラに向かって「お前ら勝つと思ってなかったやろ!勝ったったわ!」と言っているのを聞いて、思わず「勝つと思ってませんでした。ごめんなさい」とつぶやいてしまいました。でもたぶん日本代表が勝つことを予想していたファンは、そう多くはなかったはずです。
前回2015年イングランド大会で、スプリングボクス(南アフリカ代表)を破ったことに次ぐ大金星。日本代表の大きな進化を感じさせる一戦だったのです。
選手入場。右側の日本代表の先頭は、この試合のゲームキャプテン、ピーター・ラブスカフニ。左側アイルランド代表の先頭は主将のローリー・ベスト。アイルランド国旗とともに掲げられている黄色と赤の旗は、アイルランド島北部、英領北アイルランドを含むアルスター州の州旗です。
イギリスはラグビーの母国であり、W杯にはイングランド、スコットランド、ウェールズという各カントリーとして出場していますが、アイルランド代表は伝統的にアイルランド共和国と英領北アイルランドとが合同で統一チームを構成しているのです。主将のローリー・ベストは北アイルランドの出身です。
試合前の国家斉唱。アイルランド代表が歌うのは、「Ireland's Call」。1995年に作られたラグビー・アイルランド代表のアンセム(応援歌)です。
「アイルランドよ、共に立て、共に肩を組みアイルランドの人々の呼び声に応えよう」という歌詞を合同チームで歌う姿に、ここまでのアイルランドの苦難の歴史を思えば、胸に迫るものを感じるのは私だけでしょうか。
この試合、アイルランド代表にとっては、高温多湿な日本での試合は苦しかったかもしれません。
あのロブくんもアイルランドで、友人たちと一緒に声援を送っていたようで、試合中もメールでやり取りしていました。アイルランドが破れ、悔しがったようですが、日本に対する祝福のメッセージを送ってくれました。
敗れはしたものの、愚直なまでに真向勝負のアイルランドラグビーは、日本の観客にも鮮烈な印象を与えました。またこの試合の勝利で自信を得た日本代表は、残り2試合にも勝ち、ティア2としては史上初、プール戦全勝で堂々と決勝トーナメントに進出しました。
ノーサイド(試合終了)の瞬間、NHK実況アナウンサーは「もう奇跡とは呼ばせない!」と絶叫。まさにこのアイルランド戦は、日本ラグビーにおける歴史的な一戦だったと言えると思います。