ピラミッドより古い!アイルランド古代の神秘ニューグレンジ
こんにちは、コウです。
昨年(2019年)の夏に家族でアイルランドを旅行した際のことを紹介するブログの第50回。
前回までアイルランドでレンタカーを借りる方法などについて紹介してきましたが、今回よりいよいよレンタカーで訪れたアイルランド郊外の観光スポットについて紹介していきます。まず今回は、首都ダブリンから1時間ほどで行ける古代遺跡ニューグレンジです。
※ニューグレンジの遺跡見学については、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在外からの見学のみになっており、墓所内部の見学は中止されているようです。
◇前回ブログ
◇ニューグレンジのホームページ(英語)
◇ニューグレンジの場所(ダブリンからのルート)
ニューグレンジはアイルランド共和国を代表する古代遺跡。ボイン渓谷の遺跡群として1993年にユネスコ世界遺産に登録されています。首都ダブリンからは車でだいたい1時間くらいで行けます。公共交通機関を使うと、乗り換えがあったり面倒なようなので、ぜひレンタカーを使うことをお勧めします。
近いので、私たちはレンタカーを借りた初日にトライしました。朝9時過ぎにダブリンを出発し、10時頃には着いたと思います。
ですが、この時点でかなり混んでいました。ニューグレンジはガイドツアー形式の見学となっており、自由な見学はできません。スタートが午後の時間帯となってしまいましたので、先にタラの丘を見学に行きました。タラの丘については次回に紹介します。レンタカーだとこういうところが自由自在ですね。
午後、チケットセンターまで戻ってきて、いよいよ見学です。遺跡は広いエリアに散在しており、バスで向かいます。
まず向かうのはノウス(Knowth)と呼ばれる古墳。ボイン渓谷の遺跡群の中でも最大のものだそうです。
これらの遺跡群はだいたい紀元前3000年頃、つまり今から約5000年前のものと推定されています。イギリスのストーンヘンジより約1000年古く、エジプトのギザのピラミッドよりも500年古いものとなります。奈良の高松塚古墳は紀元7世紀頃、仁徳天皇陵(大阪府堺市)は紀元5世紀頃のものですので、はるかに古いものとなります。
それほど古いだけに、どのような民族が造り上げたのか分かっていない点も多く、謎の多い神秘的な遺跡です。
古墳の内部に入ることもできます。内部は埋葬場所として使われていたようです。
古墳の上に上がることもできます。この丘の上には古代人が住居を建てて住んでいたと推定されているそうです。
古墳の上からは、どこまでも広いアイルランドの地平を見渡すことができます。
ノウスの遺跡の基底部には巨大な岩が埋め込まれており、そこには渦巻き模様など様々な模様が描かれています。これが何を表しているのか。岩の裏側など、目に付かないところにもあるため、装飾ではなく宗教的な意味合いのものと推定されているようですが、余りにも古い遺跡なだけに、謎の多い古代芸術です。
ノウスの見学を終え、再びバスに乗って、今度はニューグレンジ(New Grange)に向かいます。
ニューグレンジは5000年に渡って土中に埋まっており、1960年代から70年代にかけて発掘され、復元されたものだそうです。塚の屋根の部分は、土中に埋まった状態で5000年間も保持され、防水性も保たれた状態だったそうです。
私は大学では土木工学を専攻していましたが、こうした古代の優れた土木技術には本当に驚かされます。
こちらも古墳内部に入ることができます。
年に一度、冬至の日の日の出の光が、この地下の通路内に差し込み、墓室の床を照らすようになっているそうです。何とも神秘的ですね!太陽神信仰によるものと推定されていますが、墓所であるとともに、神聖な場所として使われていたことがうかがわれます。
(墓所内部に日の光が差し込む様子は、上記のニューグレンジのホームページ内の動画で見ることができます。)
謎に満ちた神秘的な遺跡の見学を夕方に終え、ニューグレンジを後にしました。
この後、ダブリンに戻りました。レンタカーは2日間借りていますので、この夜はホテル近くの駐車場に停め、明日はいよいよアイルランド島の西の端、モハーの断崖までのドライブとなります。
この日訪れたノウスとニューグレンジ、日本人には馴染みの薄いアイルランドに、意外にもピラミッドより古い古代遺跡があったことに驚きました。
次回は、このニューグレンジから車で20分程度のところにあるタラの丘をご紹介します。